東レは24日、ナノ構造制御技術の追求により、射出成形用の炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(熱可塑CFRP)における炭素繊維と樹脂の新たな複合化技術を開発したと発表した。
今回の技術の適用により、熱可塑樹脂中での炭素繊維の分散性と接着性を高いレベルで両立。少ない使用量でも効率よく補強効果を発揮させることができ、同等の強度を持たせたガラス繊維強化プラスチックと比較して20%以上の軽量化を実現する。
同社では新技術を適用して、ポリプロピレン(PP)および、ポリフェニレンサルファイド(PPS)の各樹脂における炭素繊維強化ペレットの開発を進めており、PPは既に一部販売を開始している。
PPの場合は低比重が特徴で、家電や自動車の準構造材料等への適用が期待できる。一方、PPSの場合は、熱変形温度が260度以上という耐熱性および優れた耐薬品性、難燃性を持ち、炭素繊維強化により高強度・高弾性率・高耐衝撃強度の達成が可能。自動車に使われるような各種機能部品への適用が考えられている。