リチウムイオン電池正極材が2016年に4848億円…富士キメラ総研まとめ

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富士キメラ総研は、太陽電池や蓄電池、エコ照明、スマートグリッド、半導体、無線/有線、フラットパネルなどに関連する世界の有望な電子部品、材料市場を調査し結果を報告書「2012有望電子部品材料調査総覧」(上下巻)にまとめた。

この報告書の上巻にはグリーンデバイス編として、パワーモジュール関連部材9品目、太陽光発電関連部材9品目、蓄電池関連部材10品目、燃料電池関連部材4品目、キャパシタ関連部材5品目、コンデンサ3品目、エコ照明関連部材4品目、スマートグリッド関連部材3品目、エネルギー・ハーベスティング関連部材3品目、次世代エネルギー関連部材4品目、計54品目の市場調査・分析結果を収載した。

また、ハイブリッドカー(HV)/電気自動車(EV)、太陽電池モジュール、LED電球などアプリケーション9品目の市場調査・分析結果も収載した。

下巻にはエレクトロニクスデバイス編として、環境対応/高付加価値樹脂材料2品目、有線/無線通信関連部品10品目、ノイズ・熱対策部品材料5品目、センサ6品目、半導体5品目、半導体関連材料9品目、実装関連部品材料10品目、映像関連部品5品目、フラットパネルディスプレイ関連部品材料12品目の計64品目の市場調査・分析結果を収載した。スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどアプリケーション7品目の市場調査・分析結果も収載した。

調査対象の118品目のうち、2011年に市場規模が1000億円を超え、2016年の市場伸長率(2011年比)が200%を超える有望な電子部品、材料は薄膜系太陽電池セル(薄膜Si、CIGS、CdTe)、結晶系太陽電池セル(単結晶、多結晶)、太陽電池用ペースト、太陽電池用封止材、リチウムイオン電池用正極材料、スマートメータ、アルミ電解コンデンサ、AM-OLED(アクティブマトリクス式有機EL)、投影型静電容量式タッチパネルの9品目だった。

有望市場であるリチウムイオン電池正極材料は、2011年にスマートフォン、タブレット用リチウムイオン電池市場が好調で、HV、EV用リチウムイオン電池市場が立ち上がったことから正極材料の世界市場は前年比19.3%増の4万7600t、金額ベースで同16.7%増の2142億円が見込まれる。

ここ数年、コバルト酸リチウムから他の材料への転換が進んでいるが、HV、EV用リチウムイオン電池市場が伸びたことで、リン酸鉄リチウム、三元系などの材料の需要も伸びている。スマートフォンが好調でタブレット、ノートパソコンも伸びるため、当面民生用リチウムイオン電池向けの正極材料の市場は年率5~10%増で推移すると予想される。

三元系の採用が進んでいるが、今後も市場の中心はコバルト酸リチウムが中心と見られる。また、HV、EV用リチウムイオン電池向けの正極材料の市場も数年急拡大が続くと見られ、2015年には数量ベースで民生用と同等になる見込み。EVはマンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、HVは三元系(ニッケル/コバルト/アルミやニッケル/コバルト/マンガンなど)の正極材料が使用される見込み。

市場は2016年の4848億円と、2011年見通しと比べて126.3%増を予想する。

《レスポンス編集部》

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