田中貴金属グループのボンディングワイヤ製造事業を展開する田中電子工業は、超高信頼性の金製ワイヤと、銅製ワイヤ2製品を、1月13日より販売開始すると発表した。
金製ワイヤ「GPH」は、環境負荷を低減するハロゲンフリー樹脂用のボンディングワイヤとしては世界で初めて、175度の高温下でも、現行品の約2倍にあたる4000時間まで接合信頼性を維持することができる金合金ボンディングワイヤ。
現在、半導体市場では、製品材料による環境負荷を低減するため、半導体を封止する樹脂や基板のハロゲンフリー化が進んでいる。これまでの高信頼性ボンディングワイヤは、175度の高温下で2000時間を越えると、接合部にボイド(空隙)が形成されてしまうため、電気的な導通が維持できず、半導体の動作不良の主因となっていた。
金製ワイヤの「GPH」では、金と適度な親和性を持つ金属を含有させ、接合部分の金属の拡散速度を最適化できるため、ハロゲンフリー樹脂の半導体におけるボイドの形成を大幅に抑制することが可能で、自動車用などの高い信頼性が求められる電子部品の配線に最適な製品としている。
このほか、これまでの銅製ワイヤでは実現できなかった安定した接合性を持つ銅製ワイヤ「CFB-1」や、アルミ太線からの代替が可能な次世代パワーデバイス用銅製ワイヤ「CHA」も販売開始する。