3月に運行を開始する日本初の格安航空会社(LCC)、ピーチ・アビエーション。そのビジョンはどのようなものか。CEO・井上慎一氏は、「面白いことにこだわる」「潜在需要を喚起する」と繰り返す。
例えば、案内アナウンスについてはこうだ。「関西弁を出していきたい。それが差別化にもつながる。逆になぜ標準語に統一してアナウンスしなければならないのかとも考える。いま我々はこうしたことを、学生みたいに議論しているところ」(井上氏)
徹底したコスト意識と価格訴求について井上氏は「“機材稼働”を優先しているので、必ずしもユーザーのニーズにあった時間帯に便が設定されていないかもしれないが、そのぶん運賃は下げられる。これまで旅行費用が高いと感じていたユーザをターゲットとし、いままで飛行機に乗らなかった人たちの需要を掘り起こしたい」とアピールする。
3月就航の路線は、関西〜福岡(3780~1万1780円)と関西〜新千歳(4780~1万4780円)の2つ。公式ホームページには使用機材(エアバスA320-200)やシートマップ(180席)、運航ダイヤ(1日3~4往復)、各種手数料なども発表され始めているが、機内食メニューや機内販売品などのページは「近日公開」のまま。
「まだ具体的には言えないが、日本の食にこだわりたい。“普通”はイヤだなと。ここにも面白いものにこだわりたい」(井上氏)
また、“片道250円”のキャンペーン価格については「桃の売れ筋相場価格が1個500円ということから、ワンコインで往復できる額に設定した」と井上氏。同社は、デビュー時期に破格のキャンペーンで認知度アップを狙いつつ、平均搭乗率8割を見込む。
同社は、福岡便1日4往復・札幌便1日3往復を就航時3機で運航する。さらに5月には関西〜仁川(韓国)の国際線就航を予定している。
(取材:12月21日のメディアセッション)