第42回東京モーターショーにスズキが出展した『レジーナ』は、これまでのエコカーとは違う、ちょっと楽しげなデザインとなっている。
「あっさり作れば簡単でしたが、こだわりを持ってやり始めたばかりに大変なことになって、どうしようかと思いました」と笑いながら語るのは四輪デザイン部先行デザイン課の結城康和さん。
「色々なシミュレーションも含めて検討を重ねた結果、燃費がリッター32km以上で、CO2が欧州モードで70g/km以下。そして車重は730kgと、『アルトエコ』の740kgから10kg減となりました」という。しかも、この目標達成のためにカーボンなどの特殊な素材ではなく、コンベンショナルな鉄、アルミ、樹脂などで達成した。つまり、「量産可能な技術をこのデザインとともに先行採用したのです」。
目標達成のため細かいところまでこだわったが、「真面目で眉間にしわが寄ったクルマでは面白くないので、デザインはちょっと楽しげにしたいなと思いました」。
「『スイフトスポーツ』などがいっぽうの典型ですが、クルマ好きイコール走りでスポーツ。それ以外はクルマに興味が無い人で、ミニバンかエコカーか軽自動車になってしまうのが現状です。スピードは出なくても、クルマ好きが愛着を持てるようなクルマが減ってきていると思うのです。レジーナはそのようなクルマ好きに感じてもらえればいいと思います」。
そして「昔のクルマを知らない人から見た時は、単純に未来カーと見えればいい。さらにクルマに全然興味が無い人はケロロ軍曹に見えればいい」と笑う。
「エコカーもいろいろあるでしょう、というのが答え。エコはもうあたりまえで、その先を考えているのです。エコは一段落して、その次のステージ。乗って楽しいクルマもありますが、街で見ていて楽しいというクルマもありますね。そのあたりが表現できていると思います」。