日産自動車のカルロス・ゴーン社長は24日、横浜市で記者会見し、21日に史上最高値を更新した円高について「異常事態。(日本の製造業は)完全な空洞化になってしまう」と強い危機感を示した。
ゴーン社長は現状の為替水準について「明快に測定できるのは、日本での生産が(海外生産に比べ)競争力をなくしたということ」と指摘した。
さらに、同社は国内生産100万台の維持をコミットしているものの「輸出企業の解決策は、生産を国外にもっていくこと」と強調し、部品などの海外調達が増加するのは止むをえないとの意向を表明した。
また、「(海外移転は)したくはないが、ビジネスパーソンとしては外に出る判断も必要になる」と、今後は自社の国内生産そのものも見直す局面があるとの見方を示した。そのうえで政府や金融当局には「正常な水準に戻すよう問題の中核に対処してほしい」と要請した。