日産自動車は、2016年度までにアセアン地域での販売台数を現在の3倍以上の50万台に増やすため、4つの施策を展開する。
具体的には、(1)インドネシアの「低価格・グリーンカープログラム」構想に向けた準備を進める。現在、インドネシア政府が主導して同プログラムが検討されている。日産では現地法人のインドネシア日産(NMI)がプログラムに積極的に参画する意思を正式に表明した。プログラムの実施がインドネシアで日産が販売を伸ばすための主軸となると見ており、プログラムを通じて現地生産を増やすためのさらなる投資を実施する。
(2)研究開発(R&D)、パワートレイン生産の現地化を加速する。NTCSEA(日産テクニカルセンターサウスイーストアジア)のエンジニアを現在の120人体制から2016年度までにはその3倍以上となる370人に拡充、タイ、インドネシアでのR&D機能を強化する。また、日産の主要関連会社であるジヤトコは、約200億円(2億5000万米ドル)を投じてタイで無段変速機(CVT)の生産工場を新設する。CVTをタイで現地生産するのはジヤトコが初めてとなる。
(3)さらに、アセアン地域で販売を伸ばすため、生産能力を倍増させる。アセアン地域の需要の高まりに対応するため、年間生産能力を現在の35万台から70万台に倍増する。
(4)このほか、タイに設立した戦略的地域統括会社であるアジア・パシフィック日産自動車会社(NMAP)は、アセアンの中期経営計画の進捗をクロスファンクショナルにコントロールし、達成に向けて強力なリーダーシップを発揮していく。