ACEA(欧州自動車工業会)は17日、5月の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の新車販売結果を公表した。総販売台数は125万2599台。前年同月比は7.6%増と、3か月ぶりに前年実績を上回った。
5大主要国では、ドイツが前年同月比22%増の30万4543台と、6か月連続で増加。フランスも6.1%増の19万7701台と、2か月ぶりに前年実績をクリアした。
また、イタリアは前年同月比3.6%増の17万0603台と、14か月ぶりのプラス。英国は15万0431台を売り上げたものの、前年同月比は1.7%減と11か月連続の前年実績割れだ。スペインも23.3%減の7万8870台と、11か月連続で前年実績を下回る。
主要9社の販売実績は、首位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同月比16.3%増の29万9841台と、5か月連続で前年実績をクリア。VWブランドは18.6%増の16万0281台、シュコダブランドは18.7%増の4万7421台と5か月連続で増加。アウディブランドも、15.8%増の6万4050台を販売し、10か月連続の前年実績超えだ。またセアトブランドは、2.4%増の2万7859台と、2か月ぶりにプラスへ転じた。
2位のPSAプジョーシトロエンは、前年同月比5%増の16万8933台と13か月ぶりに増加。その内訳は、プジョーが4.3%増の9万0547台、シトロエンが5.7%増の7万8386台と、ともに回復する。
ルノーグループ(ダチアを含む)は3位。しかし、その販売台数は11万1252台にとどまり、前年同月比は8%減と、3か月連続のマイナスだ。低価格のダチアブランドが、10.4%減の2万1476台とマイナスに転じ、主力のルノーブランドも7.4%減の8万9776台で、3か月連続のマイナスと振るわない。
4位は、GMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)。その販売台数は11万0157台で、前年同月比は15.7%増と、2か月連続のプラスだ。オペル/ヴォクスホールブランドが、18.8%増の9万5005台と販売を伸ばす。
5位はフォードモーター。9万9884台を販売し、前年同月比は9.7%増と、14か月ぶりに増加した。
6位のフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は、9万0820台を販売。前年同月比は0.2%増と、15か月ぶりのプラスとなった。ブランド別では、アルファロメオが61%増の1万2922台と大幅増を維持。ランチアも2.7%増の9189台と回復した。しかし、フィアットブランドは6.7%減の6万8139台と、引き続き不振だ。
7位のBMWグループ(MINIを含む)は、7万7784台を販売し、前年同月比は21.8%増と、9か月連続のプラス。BMWブランドは16%増の6万1351台、MINIブランドは49.8%増の1万6433台と、両ブランドともに好調だ。
8位は、ダイムラー(メルセデスベンツとスマート)。その販売台数は6万3456台で、前年同月比は5.3%増と3か月ぶりの前年実績超えだ。ブランド別では、メルセデスベンツが5.5%増の5万5327台、スマートが4.1%増の8129台を売り上げる。
トヨタグループ(レクサスを含む)は、9位。その販売台数は4万1626台で、前年同月比は9.5%減と、2か月連続のマイナスとなった。トヨタブランドは11%減の3万9571台。一方レクサスブランドは、『CT200h』投入の効果で34.5%増の2055台と、4か月連続増となった。
トヨタ以外の日本メーカーでは、日産が前年同月比28.9%増の3万9472台と、5か月連続のプラス。スズキは2.4%増の1万5146台と回復した。しかし、マツダは25.9%減の1万1223台、ホンダは33.4%減の1万0057台と苦戦。一方、三菱は55.8%増の1万1061台と、10か月連続で前年実績を上回る。
韓国メーカーでは、ヒュンダイが3万4508台を販売し、前年同月比は19.8%増と2か月連続で増加。キアは7.6%増の2万4077台と、5か月ぶりにプラスとなった。
2011年1‐5月の欧州新車販売は、前年同期比0.4%減の607万6060台。5月は、PSAプジョーシトロエンやフォードモーター、フィアットグループ、ダイムラーなど主要メーカーに回復傾向が表れており、6月以降の販売結果が注目される。