海江田万里経済産業相は8日午前中の閣議後会見で、「ただ今から計画停電は原則実施しない」と、宣言した。同日、東京電力(勝俣恒久会長)も「計画停電の原則不実施」を発表した。
ただ停電の可能性が完全に消えたわけではない。東電のウェブサイトのトップページから「計画停電予定」をクリックすると、今後の計画停電がわかる。
東京電力の藤本孝会長は「4月も上旬は急に冷え込むことがあり、暖房需要が急に増えることがある」と、会見でもたびたび発言。急な電力消費増の懸念を捨て切れないでいる。
東電が気にしているのは、昨年4月16日の再現だ。この日はみぞれまじりの雨模様だった。平均気温は東京で最低2.3度。最高気温が7.4度にしか上がらなかった。「昨年は節電を呼びかけてたわけではないので現在とは単純に比較できないが、この日の電力消費のピークは4734万kWだった」(東電広報担当)。
現在の供給力は最大でも4050万kW。もし昨年4月16日の調子で電力消費が進めば停電を引き起こし兼ねない。