ポリウレタン、原料市場は2015年に4兆7000億円規模 富士経済予測

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富士経済は、ポリウレタンの原料、製品の世界市場を調査し、結果を「2011ポリウレタン原料・製品の世界市場」にまとめた。

ポリウレタンは、有機化合物のイソシアネートとポリオールを混合して反応させ、添加剤などを加えることで様々な物性や機能性を実現する高分子化合物(ポリマー)で、衣類・生活資材から建材、自動車、エレクトロニクス、工業・産業資材など様々な分野で活用されている。

調査では、イソシアネートとポリオールを構成する26品目のポリウレタン原料市場と、ウレタンフォームを始めとした16品目のポリウレタン製品市場について現状を分析し、今後を予測した。

イソシアネートとポリオールは、ポリウレタンの生成に不可欠な原料で、ポリウレタン原料市場は、世界的な景気後退の影響を受け09年に4兆円を割り込んだものの、10年は中国や新興国での需要回復や、09年の大幅減の反動から、4兆円台が見込まれる。

11年の市場は、前年比3.5%増の4兆2370億円を予測する。その後も年率2~3%台で市場が拡大していく見通しで、15年には10年比15.3%増の4兆7216億円を予測する。

また、原料にイソシアネートのTDIやMDI、ポリオールのPPGやポリエステルポリオールが用途に応じて使用される軟質ウレタンフォームは、エーテル系とエステル系に大別され、エーテル系は反発弾性力があり熱融着力に優れ耐久性が高いことから、自動車のシート、家具、寝具などに用いられている。エステル系は成形性、吸音性に優れていることから、クリーナー、スピーカーなどに用いられている。

09年の市場は自動車産業の不振が影響し、軟質ウレタンフォームの主要用途である自動車シートが落ち込んだものの、中国の需要喚起政策が下支えし、世界全体では前年比4.1%減だった。10年は中国やアジアの需要に加え、先進国でも前年の大幅減の反動で、前年比5.0%増が見込まれる。

11年の市場は、前年比2.9%増の2兆8360億円を予測。先進国から新興国へ生産拠点がシフトしている影響で、先進国は横ばいの見通しだが、新興国では家具、寝具、雑貨など内需も含め需要が旺盛で市場を牽引していく見込み。15年には10年比15.0%増の3兆1680億円を予測する。

《レスポンス編集部》

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