【ポロ GTI 試乗】硬質な乗り味が全体を包む…松下宏

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ポロGTI
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『ポロ』のラインナップの頂点に立つ「GTI」は、上下にレッドラインの入ったハニカムグリルやLEDポジショニングランプを採用したヘッドライト、17インチタイヤ&アルミホイールなどで外観が差別化されている。

インテリアはスポーツシートや本革巻きステアリングホイール&シフトノブなどがGTIに専用の仕様。随所に赤いステッチが施されているのは、これまでのGTIと同じだ。

スポーツシートに座ると硬めの座り心地を感じるが、これに代表されるような硬めでしっかりした感じの乗り味がポロ全体を包んでいる。この硬質感はいかにもドイツ車らしいもので、ドイツ車好きのユーザーには大きな魅力となる部分だ。

搭載エンジンは1.4リットルの直噴DOHCエンジンにスーパーチャージャー+ターボを装着したTSIで、132kW/250Nmのパワー&トルクを発生する。トルクに関しては2.5リットルエンジン並みの実力で、1200kgほどのポロのボディに対しては余裕十分の実力だ。

低回転域から太いトルクを発生するので、走りには大きな余裕が感じられる。2種類を組み合わせて装着された過給器は、段差を感じさせない滑らかな効き方だ。

7速DSGは発進直後に多少のギクシャク感が残るものの、それを気にしているから分かる程度のレベル。走り出してしまえば違和感はなくなるし、むしろレバーやパドルの操作に応じて素早い変速レスポンスを見せる。

しっかりしたボディとともに硬めの乗り味を感じさせる足回りは好感が持てるもので、ワインディングでは高い安定感を感じさせる。これには「XDS」と呼ぶ電子制御式のディファレンシャルロックも影響している。

価格は国産車に比べたらちょっと高めかもしれないが、充実した安全装備が標準で備えられることなどを考えると、実質的には割高な印象ではなくなる。極めて魅力的なクルマである。

強いて言えば、左足ブレーキを許容しないブレーキオーバーライドの設定が個人的な好みに合わない。これだけは何とかして欲しいのだが。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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