ボッシュは、同社の主力開発拠点となっている北海道・女満別テクニカルセンター(TCM)のテストコース拡張工事が完了したと発表した。
TCMは約31億円を投じてテストコースの面積をこれまでの2倍となる63万平方メートルに拡張した。1992年の開所以来、TCMには総額83億円が投じられており、ボッシュにとって日本はドイツ国外で最大の車両安全技術の研究開発拠点となる。
同社グループは、世界にブレーキシステム研究開発用のテストコースが10拠点ある。今回拡張したTCMテストコースは、ドイツ本社近郊にあるシャシーシステムコントロール事業部のボクスベルクのテストコースに準拠した設計となっている。
TCMでは、ABSやESC、緊急ブレーキなど、車両安全技術とドライバー支援技術の開発とアプリケーションを主に行う。今回拡張されたテストコースには、直径300mのダイナミック路、800mの長さの4車線直進路、緊急回避スペースを備える。
TCMは今後、10億円を投じて2013年までにハンドリングコースや周回路を増設する計画で、一部ではすでに工事を開始している。
欧米などで、ESC装備義務の法制化される予定で、今後高性能なESCの需要は増加する。このためTCMに重点的に投資して開発を強化するとともに高度なテストを実施して、競争力のある製品開発に結び付ける方針だ。