伊藤忠商事は5日、米国の資源開発会社のシンボル・マイニングに資本参加したと発表した。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッドカー(PHV)などで需要増が見込まれるリチウムイオン電池事業を強化するのが狙い。
シンボルは、カリフォルニア州南部に位置する地熱発電所の使用済み地熱かん水に含まれるリチウムを回収し、リチウム化合物を製造する事業を推進している。現在、数年以内の商業生産に向けて製造技術の開発と改良を行っている。
シンボルは年間約1万6000t(炭酸リチウム換算)の生産を見込んでいる。原料である地熱かん水からリチウム化合物の生産が短時間で行えることから、需要拡大に応じて短期間で増産も可能。
現在のリチウムの世界の生産能力である約12万3000tの半分に相当する年産6万4000tの炭酸リチウム生産が可能と見ており、EVやPHVの普及によるリチウム資源需要拡大に向けての重要な供給源となる可能性がある。
伊藤忠商事はシンボルへの出資するとともに、シンボルが生産するリチウム化合物の販売で日中韓を含めたアジア向け総販売代理店権も獲得した。アジア向けの自動車メーカーに販路を拡大する計画だ。