[交通とまちづくり]お金の話だけではライトレールを理解できない

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ストラスブールと同系列のボンバルディア製。デザインはザガート。定評あるデザイン賞「黄金のコンパス」を受賞
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島根県松江市で13日、「松江市の交通とまちづくりを考えるシンポジウム」が開催された。松江市は中心市街地の再生のためにライトレール導入を検討している。ライトレールには、莫大な投資や、道路を通るためドライバーに迷惑がかかるなど、多くの課題がある。

谷口氏は、「市民は、最初は拒否反応を示すだろう。市民にライトレールはいいものだと理解してくれるにはどうしたらいいのか」とパネリストに質問した。

森氏は、「採算は合わないが、税金を投入して市民に提供しなければならないライフラインはたくさんある。ライトレールを含む公共交通機関も同じで、将来につながる財産だと市民は理解してくれる」との経験を語った。また、「道路が狭いという問題は、いつまでたっても解決しない。渋滞を解消するために道路を作り、さらに渋滞が悪化して、また道路を作るというロサンゼルス型の街づくりよりも、これからは公共交通機関が充実しているようなサンフランシスコ形の街づくりにシフトすべき」と提案した。

福田氏、「市民みんなで交通システムに関して話し合える機会を設けてほしい。そこでライトレールに関しても、どんなものであるか教えてくれると、市民の理解が得られるのではないか」とした。

松浦氏は、ライトレールが運行されているフランスのストラスブールの視察で感じたことを話した。「『赤字は出ませんか』『税金の投入は』など財政の質問ばかりしたら、担当者が困った顔をした。それは、お金の話だけではライトレールを理解できないからだ。実際にさまざまな街のライトレールに乗ったが、窓が広くとれるため車窓を見ると絵画や映画を見ているような楽しい気分になった。これを市民の皆さんにも実感していただくと、理解を得られるのではないか」と話した。

最後に松浦氏は、「街づくりは総合施策であり、公共交通機関だけではなく、子育てや高齢者などの要素が入っている。ライトレールも、まだまだ市民に理解されていないと思う。頻度を高めてこれからもシンポジウムを設けていきたい」として終了した。

《安達崇徳》

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