気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。2010年3月10日付●核持ち込み「密約」認定、有識者委、暗黙の合意が存在(読売・1面)●曲がり角のGS エコカー普及、10年後は3分の1に?(読売・8面)●ホンダ、インドに二輪車の第2工場(読売・8面)●三菱自「ラリーアート」終了、今月末でモータースポーツ縮小加速(読売・9面)●トヨタ「反攻」開始、公聴会1週間、実験で安全アピール、「金利ゼロ」販促に力(読売・9面)●一般職採用見送り、トヨタ「体質スリム化」(朝日・10面)●富士重工役員にトヨタ高田氏(朝日・10面)●ニュースナビ:リコール、世界のトヨタ後手のツケ(毎日・13面)●中国新車販売2月も世界一(産経・11面)●国内線空港需要予測、成長前提甘い見通し、半数、バブル期以降整備(東京・9面)●トヨタ車体社長に網岡氏、10年ぶり生え抜き(東京・9面)●有力外資相次ぎ日本撤退、ミシュランや現代自(日経・1面)●自工会会長に日産の志賀氏(日経・13面)●日航、人員削減に暗雲?(日経・15面)●車用品大手、新興国で攻勢、多店舗展開、早期進出で布石(日経・15面)ひとくちコメントトヨタ自動車が電子制御システムの不具合で意図しない急加速が起きると指摘された問題を巡り、米カリフォルニア州で公開実験を行った。米下院公聴会で、南イリノイ大のデービッド・ギルバート教授の「電子回路のショートなどでトヨタ車の急加速が起きることを確認した」との証言に反論するものだが、実験では、「実際には起こりえない」として、トヨタ側は「トヨタ車の電子制御システムに欠陥を示す証拠はない」と改めて主張している。9日付の夕刊で各紙が速報したが、きょうの朝刊では、読売が「トヨタ『反攻』開始、実験で安全アピール」などと取り上げた以外は「反証実験」関連の記事は少ない。タイミングも悪かった。外務省が「核持ち込み」の密約検証に関する調査結果を公表するというビッグニュースが飛び込んだことも影響しており、その影に隠れてしまった格好だ。しかも、経済面のトップで取り上げた朝日は「現時点では欠陥がないとしたが、あらゆる可能性を想定した実験や検証は続く。米議会の追及もやまず、問題決着のめどは立たない」と手厳しい。トヨタは一日も早い信頼回復を急いでいるようだが、疑念を晴らすには今回のような安全性に関する実験をコツコツと積み上げてアピールするほかにないようだ。