東洋鋼鈑と独立行政法人の産業技術総合研究所は4日、次世代太陽電池として需要の拡大が見込まれるCIGS太陽電池に低コスト金属基板を用いて高効率を達成したと発表した。東洋鋼鈑は、今回開発した金属基板を、2011年をメドに製品化を目指すとしている。
CIGS太陽電池とは、薄膜系太陽電池の中で最も変換効率が高く、ポスト結晶シリコン太陽電池として期待されている電池。
東洋鋼鈑は今回、ステンレス箔に比較して低コスト化が可能な低炭素鋼ベースの極薄金属基板を開発。表面処理を行っていないベース材単体では、従来のチタン箔の10分の1以下、ステンレス箔の半分程度、ポリイミドの4分の1程度の価格を実現する。CIGS太陽電池の高効率を阻害する元素の拡散も独自の表面処理膜で抑制する。
東洋鋼鈑が開発した表面処理が施された低コスト金属基板を用い、産総研がCIGS太陽電池の試作を行ったところ、小面積セルの真性変換効率16.7%を達成した。フレキシブル太陽電池用基板として必要な極薄、広幅の表面処理鋼板の製造が可能で、2011年ごろに製品化する。