欧州新車販売、08年比1.6%減の1450万台…09年実績

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ACEA(欧州自動車工業会)は15日、2009年の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の新車販売結果を公表した。総販売台数は1448万1545台で、前年比は1.6%減。2009年12月単月では、前年同月比16%増の107万4438台と、7か月連続で前年実績をクリアした。

欧州5大市場では、ドイツの好調が目立った。2009年トータルでは380万7175台を販売し、前年比は23.2%の大幅増。ただし、インセンティブ終了の影響で、2009年12月単月では、前年同月比4.6%減の21万5564台と、勢いに陰りが見えてきた。

ドイツ以外の主要4か国では、スクラップインセンティブの効果で、フランスが2008年比10.7%増の226万8671台と、前年実績超えを達成。一方、インセンティブ導入が遅れた英国は199万4999台を販売したものの、2008年比は6.4%減。イタリアも0.2%減の215万8010台と、2008年実績には及ばなかった。スペインは17.9%減の95万2772台と、大幅に減少した。

主要9社の販売実績は、1位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年比3.4%増の285万4890台をセールス。VWブランドが6.6%増の158万2924台、シュコダブランドが16.9%増の36万6721台と好調だった。しかし、アウディブランドは7%減の60万0201台、セアトブランドは3.9%減の30万3025台にとどまった。

2位のPSAプジョーシトロエンは、前年比1.7%増の179万5507台を販売。その内訳は、プジョーが0.5%増の95万7708台、シトロエンが3%増の83万7799台と、両ブランドともに前年実績をクリアする。

3位のフォードグループ(ボルボを含む)は、前年比3.3%増の140万5750台。フォードブランドは新型『フィエスタ』の好調に支えられ、5.7%増の121万2237台と伸びた。一方、ボルボブランドは9.4%減の19万3513台と落ち込む。

4位のルノーグループ(ダチアを含む)は、2008年比8.9%増の122万5544台をセールス。ルノーブランドの103万5843台、0.7%増に対して、ダチアブランドは18万9701台、95%増と驚異的な伸びを見せる。

5位のGMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)は、前年比5.6%減の121万4473台。シボレーブランドは新型『クルーズ』の効果により、14.9%増の17万0089台と伸長したが、主力のオペル/ヴォクスホールが、5.1%減の101万6484台と伸び悩んだ。

6位のフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は、120万0325台を販売し、前年比は7.1%増。ブランド別では、フィアットが7.2%増の96万4648台、ランチアが6.4%増の12万0658台、アルファロメオが8%増の10万8720台と、いずれも好調だ。

7位はBMWグループ(MINIを含む)で、2008年比13.5%減の69万5007台という結果。BMWブランドは15.3%減の55万9755台、MINIブランドは5.3%減の13万5252台と、プレミアムブランドにとっては厳しい1年となった。

8位のトヨタグループ(レクサスを含む)は、2008年比1.3%減の67万7070台。トヨタブランドは0.3%減の65万8238台と微減だが、レクサスブランドは26%減の1万8832台と大きく販売を落とした。

9位のダイムラー(メルセデスベンツとスマート)は、67万6276台をセールスし、2008年比は12.5%のマイナス。ブランド別では、メルセデスベンツが13.3%減の58万0481台、スマートが7.4%減の9万5795台と、BMW同様、プレミアムブランドは苦戦した。

トヨタ以外の日本メーカーでは、『キャシュカイ』(日本名:『デュアリス』)が好調な日産が2008年比10.8%増の34万7873台、新型『アルト』が人気のスズキが10.6%増の22万4131台と健闘。一方、ホンダは4.1%減の22万2948台、マツダは11.5%増の20万0725台、三菱は19.7%減の8万4353台と後退した。

韓国メーカーでは、ヒュンダイが30万3046台を販売し、2008年比は32.3%増と大きく伸びた。キアも8.3%増の21万0778台となり、韓国2社は欧州と米国の2大市場で存在感をアピールしている。

2009年の欧州新車マーケットは、2008年比1.6%減と2008年の9.5%減と比較すると立ち直った。しかし、各国の販売支援策が終了する影響で、2010年の販売に関しては、2009年よりも減少するとの悲観的見方が強い。

《森脇稔》

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