今月上旬に栃木県那須塩原市内で発生したカラオケ店への強盗事件について、栃木県警は14日、事件が起きた同じ日に那須町内で単独衝突事故を起こして死亡した男が関与したと断定した。現場近くで回収された遺留品と、死亡した男のDNAが合致したという。
栃木県警・捜査1課と那須塩原署によると、問題の事件は7日の午前4時30分ごろ発生している。那須塩原市鍋掛(N36.57.43.9/E140.4.13.6)付近の国道4号沿いにあるカラオケ店で、従業員3人が帰宅しようと店を出たところ、拳銃のようなものを持った男に襲われた。男は「マネー、マネー」と現金を要求。売上金など約5万円と、店長の所有する乗用車を奪って逃走した。3人にケガはなかった。
警察では強盗事件として捜査を開始。店長のクルマは約150m離れた場所で発見されたが、近くには男が捨てたとみられるモデルガンや手袋などが落ちていた。
容疑者を特定するため、同課が手袋に付着していた皮膚片のDNA鑑定を行ったところ、強盗事件の約3時間後に那須町湯本(N37.4.59.2/E140.0.46.8)付近の県道で乗用車を運転中に道路右側の立ち木に激突する単独事故を起こし、頭部強打で死亡した23歳の男のDNAと合致したことがわかった。
事故を起こしたクルマについては、同県内で11月中旬から12月上旬に掛けて発生した別の強盗事件の現場近くでも目撃されており、警察では「容疑者の乗っているクルマ」とみて、その行方を追っていたという。
このため、警察では「死亡した男が強盗事件に関与した」と断定。容疑が固まり次第、被疑者死亡のまま書類送検することを決めた。