三菱化学と日揮は、両社が共同開発したプロピレン新規製造技術の実証設備(パイロット設備)を建設し、商業化に向けた確認を共同で実施することで合意した。
プロピレンは、ナフサクラッカー、石油精製の接触分解設備などで製造されており、ポリプロピレンなど、自動車部品や生活用品に幅広く使用されている石油化学製品の基礎石化原料。
需要は拡大しているものの、将来的には国内のエチレン需要が減少傾向にあるため、ナフサクラッカーの稼働率低下に伴いプロピレンの生産量が減少することが懸念されている。
三菱化学と日揮は、石油を原料としないメタノール/ジメチルエーテル(DME)、未有効利用オレフィン類を原料として選択的にプロピレンを製造する技術を2007年度から共同開発してきたが、新技術開発に目途が立ったことから、パイロット設備を建設し商業化に向けて準備に入る。
新技術は、これまで有効利用されてこなかった留分を有効活用できることに加え、従来プロピレン製造法であるナフサクラッカーと比べCO2排出量が少ない。
検証終了後は、両社は国内外の企業へ技術供与を検討するとともに、三菱化学では新技術を導入した製造設備の建設についても検討する。