「真摯に反省していない」、死亡ひき逃げ被告に厳しい判決

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昨年8月、栃木県宇都宮市内の県道で死亡ひき逃げ事件を起こしたとして、自動車運転過失致死と道路交通法違反の罪に問われた31歳の男に対する判決公判が25日、宇都宮地裁で開かれた。裁判所は「悪質極まりない」として、懲役5年の実刑を命じている。

起訴状によると、問題の事故は2008年8月3日未明に発生している。宇都宮市大谷町(N36.35.22.2/E139.49.9.7)付近の県道で、路肩に座り込んで友人らと話をしていた16歳(当時)の女性が、背後から進行してきた乗用車にはねられた。

女性は収容先の病院で死亡。警察は死亡ひき逃げ事件として捜査を行っていたが、事故から1年が経過しようとしていた今年8月、被害者の父親が勤務する会社の同僚が容疑者だったことが判明。警察は自動車運転過失致死などの容疑で逮捕していた。

男は事故当時は酒気帯び状態。制限速度を大幅に上回る80km/h超で衝突。事故当日に車両を修理するなどの証拠隠滅を行い、被害者の父親に対しては「早く犯人が捕まるといいですね」などという会話もしていたという。

25日に行われた判決公判で、宇都宮地裁の井筒径子裁判官は「被告は現場付近に人が立っていることに気づきながらも速度を落とすことなく通過し、被害者と衝突した」と指摘した。

その上で裁判官は「クルマを修理して証拠隠滅を図り、被害者の父親が同僚と知った後も何食わぬ顔をして出勤し、そ知らぬ顔を続けた。事件ついて真摯に反省しているとは認めがたい」として、懲役5年(求刑同6年)の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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