JFEスチールは、インドの大手民間鉄鋼メーカーであるJSWスチールと戦略的包括提携を結ぶことで合意した。提携は、今後両社で広範囲にわたる分野で協力し、相互の利益拡大を図る。
提携の第一弾として両社は、インドで自動車用鋼材分野で協力する。協力は、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板の製造技術の供与、原板供給、自動車メーカーへの応用エンジニアリングや製品開発を含む共同サービスの実施を含む。今後、項目毎に契約を締結し、実行に関する詳細な役割とスケジュールを決める。
JSWは世界の鉄鋼大手の中でも急成長を遂げており、年間粗鋼生産能力は現在の780万tから2011年には1100万tまで拡大する見通し。粗鋼生産能力ではインド最大の民間鉄鋼メーカーで、高付加価値製品の分野でも主要メーカーに成長しており、2010年3月には最新鋭の広幅熱間圧延工場が稼働する予定。
また、2020年までにウエストベンガル州、ジャルカンド州にそれぞれ年間1000万tの新規一貫製鉄所が完成、粗鋼生産能力を年間3200万tまで引上げる計画だ。
インド市場で新規プロジェクトの推進による能力拡大と技術力の向上を目指すJSWと、世界トップレベルの高級鋼製造技術、環境・省エネ技術を持ち、インド市場で供給先への拠点確保を目指すJFEの利害が一致し、今回の戦略的包括提携で合意した。