樹脂・コンパウンド市場、2013年には回復…富士経済

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富士経済は、樹脂・コンパウンドの世界市場とメーカーの事業戦略を調査し、その結果を報告書「2010コンパウンド市場の展望と世界戦略」にまとめた。

報告書では、樹脂・コンパウンド市場として汎用樹脂コンパウンド5品目、汎用エンプラコンパウンド7品目、スーパーエンプラコンパウンド5品目の計17品目と、バイオプラスチック、難燃剤の2品目の市場を調査・分析するとともに、世界に展開する日系と海外の有力な樹脂・コンパウンドメーカー144社の事例分析を行った。

調査結果によると、2008年の樹脂・コンパウンドの世界市場は2253万t、7兆1919億円となった。2009年は数量、金額共に前年の9割程度まで落ち込むと見込みで、2013年にはトータルで2424万t、7兆5598億円となるが、品目によっては市場の回復が遅れるものもあるとしている。

汎用樹脂コンパウンドを大量に消費している中国が、2008年数量ベースの33%を占める最大市場となっている。エンプラコンパウンドだけで見ると、米国、欧州、中国がそれぞれ70万t前後を消費する3大市場となっている。

汎用樹脂コンパウンド市場では2008年の市場が前年比1.9%減の1934万tとなった。2009年は数量、金額共に前年比10%程度の落ち込みが見込まれるが、2010年以降は回復に向かい、2012年には市場規模が2000万tを超える見通し。

汎用エンプラコンパウンドの2008年の市場は、前年比1.9%減の305万tとなった。需要は2010年以降回復に向かい、市場は2013年以降にはピークであった2007年の規模を超えると見ている。

コネクタ類の電気・電子部品向けを主とするスーパーエンプラコンパウンドの2008年の市場は、前年比11.8%減の15万トンとなった。2009年は更に縮小する見込みで、2009年半ばから中国の家電下郷政策の効果やハイブリッドカー向けの採用が進み、需要は回復へ向いつつある。

バイオプラスチックの世界市場は、コンパウンド品だけでなく、レジンも含めた2008年市場は、数量ベースで前年比13.7%増、金額ベースで同12.5%増と、世界的な不況の中でも拡大した。

バイオプラスチックはバイオマスを原料とすることから、地球温暖化対策の点で注目されており、今後更に拡大する可能性を指摘。

欧州で需要が高いのは、行政を含めた社会全体での環境対策への取り組みが進められているため。欧州に次ぐ需要地の米国では西海岸を中心にバイオプラスチックの認知度がアップし、採用が広がり始めている。

国内市場は、農業用フィルム向けを中心に1万t程度の市場規模である。幅広い用途で採用が少しずつ進んでいるが、行政との連携がない点や、高価格であること、社会的認知度が低いことなどから、市場は微増で推移していくと予測する。

《レスポンス編集部》

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