【トヨタF1撤退】山科代表、男泣き

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  • 小林選手(左)と山科代表

2009年シーズン限りでのF1撤退を発表したトヨタ。ある意味、世界中でいちばんショックを受けたのは、豊田章男社長とともに会見に同席した、山科忠チーム代表だったのかもしれない。

4日の記者会見席上、トヨタの若手ドライバー育成プログラムであるTDP(トヨタヤングドライバーズプログラム)と、そこで育った中嶋一貴、小林可夢偉のF1現役両名についての質問に対して、「TDPは縮小しながらも継続します」と答えた後、山科氏は「(中嶋と小林は)ここまで育てたふたりですので」と言ったところで絶句……。しばらくしてから、涙声で、絞り出すように「できれば、どこかのチームに乗せたいと思います」と続けた。

会見後、記者団に囲まれた山科氏は、「(撤退は)今日決まったばかりなので、今後のこと(事務処理など)も、これからです」と話した。ただ、チームの将来が完全に確定していない状況だったため、ドライバーとの来季契約を結ぶわけにはいかずにここまで(シーズン終幕まで)来た経緯についても触れ、山科氏自身も微妙な状況に揺れていたことを示唆。

「悔しい気持ちですか?」との問いには、またしても涙で声を詰まらせながら「一緒に苦労してきた連中のことが、頭をよぎるんですよね……。それが残念です」と、懸命に言葉を継いだ。

そして山科氏は、「個人的には、今後も元チーム代表の山科としてF1を応援していきたい気持ち。トヨタとしても、今後は(社長が言うように)環境ももちろん大事だけれど、ワクワクも提供していくべきだと思う。プリウスだけのレースというのは、ワクワクするものでもないでしょうから」と続けた。

さらに「チームのみんなは今日の今日まで、2010年シーズンがあると思っていた」、「小林可夢偉というドライバーは、(トヨタから代打出場の今季最終戦で6位初入賞するなど)ラッキーボーイなところもある。もしかしたら、どこかのチームで来季もF1を走れるかもしれない」、「中嶋一貴(09年はトヨタエンジン搭載のウイリアムズに所属)も含めて、私自身、彼らが乗れるところがあれば動いていきたい」などの旨も語っている。

《遠藤俊幸》

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