スマート フォーツー EV仕様を2012年から量産…サルコジ大統領も支援

エコカー EV
ダイムラーのツェッチェ会長とフランスのサルコジ大統領
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ダイムラーは8日、スマート『フォーツー』のEV仕様、『フォーツーed』(エレクトロニック・ドライブ)の量産を、2012年からフランス・アムバッハ工場で開始すると発表した。このプロジェクトを、フランスのサルコジ大統領も支援すると表明している。

ダイムラーは2008年9月、スマートブランドの誕生10周年記念式典を実施し、現行フォーツーのEV仕様を初公開。ダイムラーは2006年、初代フォーツーをベースにしたEVを100台試作し、英国ロンドンで実用化に向けた実証実験を行ってきた。2代目フォーツーがベースのEVは、バッテリーをニッケル水素からリチウムイオンに変更し、さらに実用性を高めている。

リアに置かれるモーターは、最大出力41ps、最大トルク12.2kgm。リアアクスルにレイアウトする2次電池は、提携関係にある米国テスラモータースから供給を受けるリチウムイオンバッテリーで、蓄電容量は14kWhだ。

フォーツーedは、0 ‐ 60km/h加速6.5秒と、ガソリン仕様のフォーツーと同等の加速性能を実現。最高速はリミッターにより、100km/hに制限されるが、シティコミューターとしては必要充分なパフォーマンスを発揮する。

充電は家庭用の220Vコンセントから行い、5割程度の充電なら約3時間、ひと晩あればフル充電が完了。フル充電時の最大航続距離は約115kmを確保している。ダイムラーの試算によると、電気代が安い夜間に充電すれば、100km走行当たりの電気代は2ユーロ(約260円)で済むという。

フォーツーedは、クーペとカブリオレの2ボディが用意され、今年11月の半ばからフランス・アムバッハ工場で1000台を先行生産。そして、2012年から量産体制に移行する。

アムバッハ工場で行われた記者会見において、ダイムラーのディーター・ツェッチェ会長は、「スマートのEVをフランスで生産することに決めたのは、アムバッハ工場の高い生産クオリティを評価したからに他ならない」とコメント。また、フランスのサルコジ大統領は、「スマートのEV生産プロジェクトにおいて、総投資額の15%をフランス政府が支援する」と正式発表した。

ダイムラーはフォーツーedを、今年末からドイツ・ベルリンで行われるEVの大規模実証実験、「eモビリティ」に参加する顧客に4年間、走行距離6万kmをメドにリース。今回、フランス政府のバックアップを得たことで、ダイムラーのEV戦略は、さらに加速度を増しそうだ。

《森脇稔》

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