本田賞決定…子宮頚がん予防ワクチン開発

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本田財団は29日、2009年の本田賞として世界初の子宮頚がん予防ワクチンの開発に貢献したオーストラリア・クイーンズランド大学教授のイアン・フレイザー博士に授与すると発表した。
 
子宮頚がんは女性特有の病気としては乳がんに次いで死者数が多く、毎年世界で50万人が発症し、27万人の死因となっている。死者の約8割は健康診断制度が整っていない発展途上国の女性。
 
フレイザー博士が開発した子宮頚がん予防ワクチンは、2007年からオーストラリアや米国で公的助成による接種が開始されるなど、現在では世界100か国以上で使用されており、同ワクチンは人類ががんを制圧した初めての事例とも言われている。
 
子宮頚がんの原因は「ヒト・パピロマ・ウイルス」(HPV)であることが判明している。このHPVの中で、知られているだけでも約15種ががん発症につながる可能性が高いハイリスク種で、特にHPV16型と18型は世界で発症した子宮頚がんの約7割から検出されている。1983年、ドイツがん研究センターのハラルド・ツア・ハウゼン教授のグループがこの16型遺伝子を抽出し、子宮頚がんの原因であることを証明して以来、世界の研究者がワクチンの開発に取り組んできた。
 
フレイザー博士の技術を用いて開発されたワクチンは、HPV16型と18型への抗体を作るもの。フレイザー博士と同僚の故・周健博士は、HPVの外皮である「カプシド」を残しつつ、中身を無害なタンパク質系の遺伝子に組み替えるという独創的手法を用いて、接種する人体への副作用がないワクチンの基礎を築いた。世界では、同博士の基本技術を採用した米国メルク社と英国グラクソ・スミスクライン社がワクチンを開発・生産して各国政府が公的助成制度を導入し、これらワクチンの普及を図っている。

同財団では、ワクチンの基礎技術開発を駆使したエンジニアリング技術によって、世界の多くの女性の生命を救済し、人類という種の保存にも貢献していることがエコテクノロジー具現化の一例であり、本田賞にふさわしいとしている。
 
第30回本田賞授与式は、11月17日に東京の帝国ホテルで開催され、副賞として1000万円(約12万5000豪ドル)がフレイザー博士に贈呈される。博士はこの副賞を所属する大学の研究チームに寄付する意向を示している。
《レスポンス編集部》

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