この週末、富士スピードウェイでSUPER GT 第7戦(13日決勝)が開催される。GT300クラスで参戦、前戦で優勝して意気上がる柳田真孝選手(TEAM NISHIZAWA MOLA、46号車)が、「こちらのクラスも見てほしい」と熱く語る。
SUPER GTはトップクラスの「GT500」と、いわゆる“二部”の「GT300」の2クラスがあり、レースでは混走しながら勝敗やランキングをクラス別に競う。GT300は走行性能についてはGT500より劣るわけだが、そのぶんレギュレーションが緩いとも言え参加しやすいクラスとなっている。
「『なんでこんなクルマが?』というクルマも走っていますね」と柳田選手。バラエティに富んでいて、見た目で楽しいのはGT300かもしれない。ちなみに柳田選手のマシン「エスロード MOLA Z」はベースが日産『フェアレディZ』で、市販型でいうと先代になるが、サーキットではまだ戦闘力は高い。ベテランファンは「Zの柳田」と呼ばれた同じレーサーの父・柳田春人を思い出すかもしれない。
柳田選手にとってGT300クラスは復帰になる。「以前よりレベルが高くなりました。またクラス内で比べても、レベルの高いチームが増えて、びっくりしました」。
「GT300も激戦です」と柳田選手がいうように、こちらの年間ランキングもトップから10点差以内に6チームがひしめいている。柳田選手のTEAM NISHIZAWA MOLAは6点差で4位だ。首位から2点ずつの差で4チームが競っている。
この接戦の原因について柳田選手は「ハンディウェイトとポイントとのバランスが良かったから」と分析する。SUPER GTでは勝つとマシンにウェイトを積むことになっており、連勝がしにくくなっている。
昨年のルールではウェイトが増えるのをいやがって、チームによっては故意に下位で自重するレース展開もあった。年間ランキングを考慮すれば正しい戦略だ。「でも、その1戦を見るためにサーキットに来たファンは残念ですよね。今年はすべての戦いですべてのチームが100%の力を出しています」。
「サーキットに子供さんが増えました。我々が走ることによって、たとえばクルマの楽しさであったり、何かを伝えたいですね」