選挙カーから候補者の氏名を連呼していた“ウグイス嬢”。午後8時でそれも終わり、候補者は明日の投開票を待つ。ウグイス嬢には学生アルバイトも混ざっているようだが、年齢は満20歳以上でなければならない。
公職選挙法・第十三章「選挙運動」・第百三十七条の二「未成年者の選挙運動の禁止」 でそう決められている。
公職選挙法というのは「できない」としておきながら、ただし書や()付きで許可する例の多い法律だが、未成年者も「選挙運動」ではなく「選挙運動のための労務」なら「この限りではない」とされる。
「選挙運動」とは何か、「選挙運動のための労務」とは何か、といった定義がないのも公職選挙法の特徴だ。「選挙運動のための労務」とは、地方自治体などの見解では、選挙事務所でのお茶汲みや、ダンボール箱の運搬などの単純労働とされる。
選挙カーからの連呼は、許可されている選挙運動の一つとして定められているから、選挙運動だとわかる。ウグイス嬢の中には、本人の政治思想とは別に代議士事務所に気に入られ、選挙のたびに仕事を頼まれる“幸運の女神”みたいな人もいるようだ。