燃料電池の酸素濃度を「みえる化」 島津製作所

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燃料電池の酸素濃度を「みえる化」 島津製作所
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島津製作所は、燃料電池内の酸素濃度の分布を光学的に計測し、リアルタイムで可視化する世界初の装置「燃料電池酸素濃度可視化装置FC-O2モニタ」を開発し、燃料電池の研究開発、製造部門向けに9月1日から発売する。

新製品は半導体レーザー、高感度CCDカメラなどの光学系からなる本体部と、制御回路と安全機構を搭載した制御部で構成され、パソコンによってデータ処理を行うシステム。

新開発した酸素濃度試薬にレーザー光を照射すると、試薬はレーザー光を吸収して特定の波長の蛍光を発し、酸素濃度によってその蛍光強度が変化する。燃料電池の正極側を透明物質にした可視化セルのガス流路にあらかじめこの試薬を塗布しておき、レーザー光を照射して、燃料電池内で酸素が消費される様子を「見える化」する仕組み。

静止画像だけでなく、最大1秒間に30コマの動画像データを取得することが可能で、酸素の利用状況の経時変動を確認することができる。

燃料電池関連市場は今後5 - 6年間に基礎研究から実用化開発へと急速に進行することが予想されており、こうした非接触の酸素濃度可視化技術が利用される潜在的な市場規模は、国内では研究用途で数億円。製造・検査用途ではその数倍から10倍程度と見込まれている。

新製品は燃料電池の研究開発部門で、より高性能で耐久性の高い燃料電池の開発に役立てられると共に、非接触で高感度な酸素検出手段であることを利用して、生産ラインでの品質管理にも用いられることが考えられる。同社では今後、酸素だけでなく、他のパラメータも同様に可視化できる装置の開発を進め、燃料電池の研究開発を支援する方針だ。

新製品は9月2日から千葉・幕張メッセで開催される「2009分析展」にパネル出展する。

《レスポンス編集部》

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