STマイクロエレクトロニクスは、同社のRFIDベースの片道乗車券発券システムが、公共交通機関としては世界で初めてソウル(韓国)で運用開始されたと発表した。
RFID技術をベースとする堅牢なソリューションによって、年間約30億ウォン(240万ドル以上)の節約が期待されるとしている。
人口1000万人の大都市で運行されているソウル地下鉄は、2004年7月に地下鉄とバス網を統合したソウル市の新交通システムの一部となった。この新交通システムでは、現金支払い客向けの従来の紙製乗車券と並行して、「T-Money」と呼ばれる再チャージ可能な乗車券システムが導入されている。
現在ソウル地下鉄は、年間4億5000万枚以上の紙製乗車券にかかるコストを節約するため、紙製乗車券から「シングル・ジャーニー・チケット」と呼ばれるRFIDへの移行を進めている。
この新システムでは、自動券売機がシングル・ジャーニー・チケットを発行し、発行にはそれぞれの乗車料金とチケット保証金500ウォンが必要となる。チケットには、STの非接触メモリチップSRT512が搭載されており、その機能によってカード返却と新しい乗客への再発行が可能となる。
このチケットのリサイクルが、数億枚の紙製乗車券に伴うコストおよび環境への影響を軽減するとしている。