トヨタ自動車は23日、株主総会後の取締役会で豊田章男副社長(53)の社長昇格を正式に決め、新しい経営体制が発足した。
豊田新社長は、同日、取締役を退任した豊田章一郎氏の長男で、創業者である豊田喜一郎氏の孫にあたる。創業家からの社長就任は1995年に退任した豊田達郎氏以来、14年ぶりとなった。
世界の新車市場の急落からトヨタは今期、2期連続での赤字決算を予想しており、豊田社長には当面の業績建て直しと持続的な成長基盤の確立が求められる。
取締役会では渡辺捷昭社長の副会長就任や子会社などの社長に転出していた前川真基氏ら3人を取締役に復帰させる役員人事も決めた。豊田社長は「現場にもっとも近い社長」を目指すとしており、開発から生産・販売に至るまで「現地・現物主義」の徹底で競争力の再構築を図る構えだ。