今年2月、山梨県甲府市内にある警察署にクルマで突入し、玄関付近を破壊して約150万円の損害を与えたとして、建造物損壊と道路交通法違反の罪に問われていた39歳の男に対する判決公判が4月27日、甲府地裁で開かれた。裁判所は執行猶予と保護観察付きの有罪を命じている。
問題の事件は今年2月2日夜に発生している。甲府市中央付近にある山梨県警・甲府署の正面玄関に軽乗用車が突入。入口の自動ドアを破壊するなど、約150万円の被害が発生した。クルマを運転していた39歳の男は泥酔状態で、建造物損壊などの容疑で逮捕されるが、突入は故意に行ったことが後の調べで発覚した。
男は昨年11月下旬に飲酒運転で摘発されたが、これを逆恨みして警察署突入を決意したと供述。この際に摘発したのは笛吹署だったが、甲府市内で摘発されたこともあり、男は「甲府署に捕まった」と勘違い。それに気づくことなく、甲府署に対する復讐として犯行に及んでいた。
4月27日に開かれた判決公判で、甲府地裁の渡辺康裁判官は「飲酒運転で摘発されたことを思い出し、警察に何か嫌がらせをすることで鬱憤を晴らそうとした」と犯行動機を認定した。
その上で裁判官は「短絡的かつ幼稚な動機による犯行。粗暴で非常に危険な行為である」としながらも、被告が被害弁済の意思を示していることは評価。被告に対して懲役2年6か月(執行猶予5年、その間の保護観察処分)の判決を言い渡している。