【D視点】ロータスカーズの夢を託した…エヴォーラ

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成功への足かせ

ロータスカーズの創始者、コーリン・チャップマンの夢は、高価なスポーツカーメーカーになることであり、『セブン』は当面の資金稼ぎであったと言われている。チャップマンの革新的な心意気と、レースに勝つことだけを目的としたセブンや、その後生まれた『ヨーロッパ』などのレースカーは、評判がよく多くの人に支持された。

しかし、本命として目されていた高価な『エリート』は、チャップマンの意に反して、早々と姿を消してしまう。その後も、高価なGTカーとして『エラン+2』等を発表するが、同じような運命をたどってしまう。

バックヤードビルダーは、開発に巨大な費用が必要なエンジンは他社の製品を流用するのが普通であり、ロータスカーズも始めはそのような方法を取っていた。その後、フォードの「ケント」エンジンの腰下を使ったロータス・ツインカムを作ったが、流用のイメージは払拭されていない。そのことが、成功の「足かせ」になっていたのではないだろうか。

元来、ラグジュアリーカーはクルマの心臓であるエンジンに、特別な物語や伝説を持って成り立っていることが多い。ラグジュアリーカーを志向するエヴォーラが、伝統にこだわらないロータスカーズの心意気を発揮して、新しいラグジュアリーカーとして常識を覆したときに、初めてチャップマンの夢が成就することになるであろう。

D視点:
デザインの視点

筆者:松井孝晏(まつい・たかやす)---デザインジャーナリスト。元日産自動車。「ケンメリ」、「ジャパン」など『スカイライン』のデザインや、社会現象となった『Be-1』、2代目『マーチ』のプロデュースを担当した。東京造形大学教授を経てSTUDIO MATSUI主宰。【D視点】連載を1冊にまとめた『2007【D視点】2003 カーデザインの視点』を上梓した。
《松井孝晏》

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