富士通研究所は、90nm(ナノメートル)世代のCMOS技術を適用した77GHz(ギガヘルツ)の高周波信号を処理する車載レーダー用のRF送受信ICを世界で初めて開発した。
このRF送受信ICは、今回新たに開発した磁界を利用した信号分配回路やインダクタ素子を活用した回路設計などの小型化技術を適用し、送受信機能の1チップ化を実現したもの。
チップサイズも1.2mm×2.4mmと、従来の学会などで報告されているCMOS技術を適用したミリ波帯(30GHz-300GHz)用途のRF送信ICやRF受信ICのなかでも、世界最小サイズを実現している。
この技術により、RF送受信ICやベースバンドICなどの複数のチップで構成されている車載レーダーの信号処理回路を1チップのICに集積し、小型化することが可能となり、車載レーダーの大幅な低価格化と普及が図れる、としている。
技術の詳細は、米国サンフランシスコで2月8日から開催されている国際固体素子回路会議で発表した。