世界最大級の化学会社、独BASFは世界的な不況の影響で2月から従業員の労働短縮を行い、さらなる生産調整を進める。
対象は自動車業界向け製品を製造している拠点。具体的には、BASFコーティング社の独ミュンスターで約1500人、独シュヴァルツハイデで180人を対象に労働時間の短縮が実施される。
同社は昨年11月半ばから世界6か所の拠点で、生産プラントの設備稼働率を調整してきたが、それでも追いつかなくなり、今回の措置に踏み切った。現在の設備稼働率は平均75%未満で、正常に稼働しているのは農薬と食品業界向け製品を製造している設備だけだという。
従業員の労働時間短縮の他に、北米とアジアでは工場閉鎖にも踏み切る。この閉鎖によって約200人が解雇される。しかし、「状況は依然厳しく、予測は困難。今後数か月で、経済環境が改善する見込みはない」(ユルゲン・ハンブレヒト会長)とのことで、今後さらに労働時間短縮の対象が増える可能性もある。