三菱重工業は、英国ロールスロイス社がエアバス社の次期主力民間航空機『A350XWB』向けに手掛ける新型ジェットエンジン「Trent XWB」の開発事業にリスク&レベニューシェアリングパートナー(RRSP)として参画すると発表した。三菱重工は、燃焼器部品と低圧タービン動翼を中心とした開発・製造を担当する。
新型ジェットエンジンのTrent XWBは、ロールスロイス社のTrentエンジン・シリーズの最新タイプとなる。ロールスロイス独自の3軸構造設計を継承し、燃費効率を高めて、騒音や排気ガスの低減を実現する高バイパスエンジンで、推力は7万4000 - 9万2000ポンド。エアバス社が現在、A350XWB用として搭載を決めているのは唯一このエンジンのみ。
三菱重工は、ロールスロイス社とは「V2500」エンジン事業で協力関係にあるほか、同社がボーイング社の次期民間航空機「787」向けに供給する「Trent 1000」エンジン事業へもRRSPとして参画している。
エアバス社のA350XWBは座席数270 - 350席の次世代タイプの中大型旅客機で、2013年就航の予定。すでに世界のエアラインなど29社から470機以上の受注を獲得している。
民間航空機エンジンの開発・製造で三菱重工は、国際共同開発エンジンであるV2500、ロールス・ロイス社のTrent1000のほか、プラット&ホイットニー社(P&W)の「PW4000」、「PW6000」、「JT8D-200」などの事業に参画している。今回新たにTrent XWBに参画するのを機に、民間航空機エンジン事業の拡大を図っていく方針だ。