2013年の完成を目指す首都高速中央環状品川線で、道路トンネルの掘削工事がスタートした。ただの道路工事ではない。世界記録を目指すのだという。
中央環状品川線は、現在建設中の中央環状新宿線と合わせた全線47kmの中央環状線の一部だ。高速湾岸線大井JCT(=ジャンクション・品川区八潮3丁目)から3号渋谷線大橋JCT(目黒区青葉台4丁目)を結ぶ延長約9.4kmの路線だ。
その約9割が地下式で、トンネルの長さは8.4km。外回り(大橋JCT方向)と内回り(大井JCT方向)が独立した往復4車線のトンネル構造だ。
このトンネルを途中に建設のための縦坑を作らず、1台のシールドマシンで、もぐらのように長い距離を掘り進める。これが「我が国のシールド技術エポックメイキング。技術力の賜物」(東京都・道家孝行建設局長)だという。
完成すると1台のマシンで掘削した道路トンネルの長さとして「世界最長の道路トンネル」(首都高速会社佐々木克巳社長)になるのだ。
世界最長の道路トンネルを掘削するマシンも、また世界最大級の大きさだ。シールドマシンは、外径12.55m、長さ14.22m、重さ2300tあり、4階建てのビルの高さに匹敵する。このマシンの組み立てだけで約5か月を要した。
首都高速道路が担当する外回りトンネルの掘削は12月から、東京都が担当する内回りは、その約1年後に掘削を開始する。施工者は、外回りが鹿島、熊谷組、五洋建設のJV(=ジョイントベンチャー)。内回りは大成建設、大豊建設、銭高組のJV。