東日本高速北海道支社(札幌市・山本裕己支社長)は2日、建設中の北海道横断自動車道の一部で、路面下の盛り土にコンクリート塊が混入していたと発表した。
基礎となる盛り土にコンクリート魂が大量に含まれたまま道路整備が完了すると、盛り土に隙間ができた状態で強度不足を生じさせる恐れがある。また、コンクリート魂は建設工事で排出された産業廃棄物と見られ、北海道上川支庁が産業廃棄物の不法投棄の疑いで調査している。
コンクリート魂は同道穂別IC - 占冠(しむかっぷ)IC(いずれも仮称)間にある占冠トンネル西側出口に近い場所で発見された。「11月にコンクリート魂が埋まっているようだという取材を受け、確認のため現場を重機で3か所、3mほど掘削してみたところ、その一部で20×40cmほどの塊が数個、こぶし大の塊が10数個発掘された」(同北海道支社総合調整部広報課)
占冠トンネル西工事は、三井住友建設(新宿区)と佐藤工業(富山市)の共同企業体(JV)が約82億円で受注した。盛り土の部分は地元の苫重建設(苫小牧市)などが担当する。
しかし、東日本高速が掘削前に工事関係者から事情を聴いた時には「埋めていません」と否定。苫重建設も記者の取材に「どうしてそういうことが起きたのか。調査中なので私どもにははっきりしたことはわからない」と答えている。