スズキが発売した新型コンパクトカーの『スプラッシュ』は、ハンガリーのスズキの子会社であるマジャールスズキ社で生産され日本に輸入されている。開発も欧州を中心に行われ、それにはOEM供給先でもあるオペルの意見も取り入れられている。
そのためスプラッシュの走りは欧州テイストに溢れている。このサイズのハッチバックとしてはサスペンションが引き締まっており、山道を走らせても非常に安定感が高いのだ。全高が1590mmと高めなので多少のロール感はあるが、動きにしなやかさがあり気持ちよくコーナーを曲がってくれる。
ハンドリングも決してクイックな設定ではないのだが、操舵に対してのリニアリティが高く、ドライバーの意のままにラインをトレースすることができる。兄貴分の『スイフト』もハンドリングの確かさでは定評があるが、スプラッシュにもそのDNAがキチンと受け継がれており、さらに動きに柔軟性を増している。シートも適度な硬さがあり、欧州車のような疲れにくい座り心地だ。
スプラッシュの開発を担当したアシスタントチーフエンジニアの鈴木正倫さんは「スプラッシュはパワートレインは日本向けに仕様を変更していますが、サスペンションや専用開発されたタイヤなどは欧州仕様と共通にしています」
「その結果、ハンドリングやフットワークは、欧州コンパクトカーにも負けない安定感の高さを実現しています。このハンドリングの良さもスプラッシュのアピールポイントのひとつです」とコメント。
確かにスプラッシュのフットワークはドイツ車のコンパクトカーのような安定感の高さ持っており、今までVW『ポロ』やプジョー『207』などの欧州のコンパクトカーに乗っていた人でも、高い満足度が得られるに違いない。
純国産のコンパクトカーよりも多少乗り心地はハードにはなるが、スプラッシュは欧州のコンパクトカーの乗り味が好きな人にはマッチするフットワークだ。