【ストラーダFクラス HW1000D長期レポート】ドライブと音楽のシンクロニシティ

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もともとストラーダ『HW1000D』のHDDにはGracenote楽曲データが収録されており、過去のCDならばスロットに入れた直後にアーチスト名、アルバム名、曲名が表示されたうえで、最大7倍速でAAC録音が始まる。

ところが、新譜やマイナーなアルバムなど楽曲情報がHDDに収録されていないCDがたまに出てくる。その楽曲データをストラーダではオンラインで取得できるのだ。意外と知られていないストラーダのBluetooth(ブルートゥース)を使った通信機能である。さっそく試してみよう。 

テストのために『Sinclair』というバンドの同名のCDを用意した。これは旅行で行ったサンフランシスコの路上ライブに心を打たれて買ったもの。メジャーデビューもしていないし、日本はもちろん英語のサイトも無い。見込みはあったのだが、解散してしまったのだろう。

Gracenote楽曲データにオンラインで問い合わせてみると、はたして、このマイナーCDの楽曲データは存在した。「シンクレア」なんて日本語読みまでデータに含まれている。おそるべきGracenoteデータベース。この調子で自分の手持ちのCDのうち30枚ほどをとりあえずストラーダに録音してみる。

前後してしまったが、ストラーダでCD音楽を聴くための方法はいくつかある。以前紹介したBluetooth Musicでケータイの中に貯めた曲を聴くという方法。SDカードを利用したSD-audioも利用できる。付属するUSBケーブルを利用して『iPod』の曲を聴く方法もある。アルバム単位での再生やあらかじめつくっておいたプレイリストの再生が目的ならば、私の場合、日頃使っているiPodが便利だと思う。しかし、音楽とドライブの奇跡的なシンクロを信じる私の本命はHDD MUSICである。

再生音質についてもここで触れておこう。

ストラーダFクラスには、今回から音のプロ集団MIXER'S LABによる音質チューン「音の匠」と「いい音でスムーズトーク」を選ぶことができるようになっている。音楽再生ならば、お勧めはサラウンド効果OFFで「音の匠」。前モデルのベストだった「SRS CS AUTO/SRS WOW HD」モードとはピアノやボーカル曲を比べるとその差は歴然である。「音の匠」はリアリティのある音を自然なバランスで聞かせてくれる。映像系ソースの場合ならば「SRS CS AUTO/SRS WOW HD」もなかなかいい。ソースによって選択したい。

さて、HDD MUSICに話を戻そう。ストラーダの楽曲解析は、Gracenoteで基本的な楽曲データを取得し、メディアクリック社の音楽情報データベースMCDBが楽曲属性の付加価値を与える。さらに録音中にソフトウェアによるミュージック・ソムリエ機能で曲調を解析することで完了する。

これら解析された楽曲は、サビの部分だけ順次再生するサビスキャン再生だったり、楽しい、癒されるなどの曲の雰囲気による選曲と年代ごとの集合をクロスさせてプレイリストをつくるのに役立てられる。また『Music Stylist』はDJ.TOGGYとDJ.LILYという男女のDJが登場し、用意されたトークを織り交ぜながらHDDに録音済みの曲を再生してゆく。

芸は細かく、DJトークのあとに3曲再生を2回繰り返し、3回目のDJトークの次は4曲の合計10曲でひと番組の構成。次の番組ではDJが入れ替わり3回のDJトークを挟んで10曲を再生する。きちんと曲のイントロとDJの紹介がクロスフェードして、気の利いたFM番組を聞いているようだ。

HDDにあらかじめ用意されたDJトークのはずなのに、話の内容、紹介する曲がドライブにぴったりマッチする。それは、ストラーダから、季節、日付、時間帯、現在地、目的地、車速などの情報を得てトーク内容や選曲に利用しているからである。iPodではクルマの状態に合わせた選曲までは行えない。

私は連休の最終日、仙台の実家を夜に出発し川崎の自宅に向けて高速道路をMusic Stylistとともに走ってみた。約30枚のCDは、やっかいな曲ばかりだ。クラシックにロック、ジャズ、サウンドトラックにブラック、カーペンターズやビートルズも入っている。これらをどう選曲して夜のロングドライブを演出してくれるのだろう。

ぶち壊しの曲がかかろうものならばすかさずスキップボタンを押せるように心構えはしていたが、とうとうその出番はこなかった。クラシックのピアノ曲のつぎにかかるのがピアノのイントロで始まる曲だったり、元気なDJトークのあとに激しいジャズがかかったり、なかなかのモノだ。

結局、仙台から川崎まで約380kmを4時間以上、Music Stylistを聞きながらノンストップで走り抜いてしまった。いつもは集中力を切らせて休憩し、妻に運転を代わってもらいながらへろへろの長距離ドライブなのに、一気に走りきるなど自分史上はじめての快挙である。

家に着いたよ、と助手席の妻に声をかけると驚いて目を覚ました。念のために「Music Stylistの選曲はどうだった?」と聞いてみたが、「ラジオじゃなかったの?」と返されてしまった。しかし妻はその後、買い物に行く時も子供の習い事の送り迎えの時もつねにMusic Stylistを選んでいる。ごく自然に受け入れている。

クルマの速度や場所、時間を利用した選曲を行うという発想。これは車内の音楽再生の革命だ。ぜひみなさんもHDD MUSICおよびMusic Stylistを体感してみてほしい。

《三浦和也》

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