スタッドレスタイヤに求めるユーザーニーズの一番は、やはりアイスバーンでのブレーキ性能だろう。『X-ICE XI2』(エックスアイス エックスアイツー)ではアイス路面でのグリップアップを先代の『X-ICE』にも増して力を注いで開発したことを、まずはテストコースで確かめた。
計測器を使ってX-ICEと新しいXI2との比較でブレーキテストをしたが、何回行なっても明らかにXI2の制動距離が短かった。ABSが作動するようなブレーキングであるが、XI2は制動感がより強くなった気がした。アイス路面にタイヤのゴムが引っ掛かっている感触を伝えてくれるからだ。
屋外の太陽が当たって氷上表面が溶け出した(うっすらと水が張った)ようなテスト路面でも試した。いとも簡単にツーッと滑ってしまうように見える路面でも、グリップが完全に抜けてしまわないで頑張っている。悪条件でのグリップダウンが小さくなったようだ。
一般道では信号がある交差点手前のミラーバーン、ブラックアイスが冬道で危ない場所といわれるが、ここでも予想よりABSが作動するタイミングが遅かった。グリップが高ければABSはなかなか作動しないわけで、XI2のアイスバーンでのグリップ力の高さを証明している。テストコースでの体験と同じように、ABSが作動しているときでも制動感があることが、一般道ではとくに安心感につながる。
発進のときも、少し丁寧にアクセルペダルを踏むだけでスムースに発進できる。もちろん始めからズバッとペダルを深く踏み込めば駆動輪がホイールスピンするが、ホイールスピンしている状態でもまだグリップが残っているから、アクセルペダルを戻すとすぐにホイールスピンが収まり、ちゃんとしたグリップを取り戻せる。
冬道の一般道を走行した際にも、橋の上とか、カーブなどで一部がアイスバーンというケースが多くあった。こんなところを走るときでもXI2なら慌てることはない。クルマの挙動が急激に変化することなく、アクセル、ブレーキ、ハンドルを無理に操作しなければうまく抜けることができる。
XI2ならアイスバーンでも緊張しないで運転できるから、よりうまく走れるようになるのだ。
|