日本精工は、駆動輪用のハブユニット軸受にアクティブ型ABSセンサを内蔵したハブユニット軸受を開発した。
新開発の製品を加えることで同社ではハブユニット軸受のラインナップ充実を図り、2013年グローバル売上高1100億円を目指す。
乗用車の駆動輪におけるABSセンサは、ナックルに固定されるのが一般的で、エンコーダは軸受に内蔵されている。センシング部分(ABSセンサとエンコーダ)は、外部環境にさらされ泥水が掛かる状態で使用されている。
同社が開発した製品では、センサと軸受回転部分の間にシールを設け、センシングする空間を外部環境と分離したことにより高い信頼性を達成できた。今後、市場が拡大するBRICs地域などの厳しい環境条件でも十分な信頼性を確保することができるとしている。
製品ではアクティブ型ABSセンサを円環状の金属キャップ内に配置し、ハブユニット軸受外輪の車体内側インロー部に固定することにより、軸方向寸法が小さく設計することができた。これにより、従来のセンサスペース部にセンサを配置することが可能となり、周辺部品の大きな設計変更無く、開発品への置き換えが可能となる。
また、センサをハブユニット軸受に内蔵しているため、従来自動車メーカーで行っていたセンサの調整組み付けを行う作業が不要となる。さらに、ナックルへセンサを取り付けるための高精度の穴加工やネジ加工も不要で、ハーネスがナックルの車体内側から取り出せるため、従来と同じハーネスの取り回しが可能となる。