【伊東大厚のトラフィック計量学】原油高と高速料金の引下げ

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政府の緊急総合対策

原油や食料などの高騰で収縮する経済を立て直すため、先月末政府が発表した「緊急総合対策」の目玉のひとつが、高速料金の引下げである。料金引下げは、どのような効果をもたらすのだろうか。

現在発表されている引下げの内容は、深夜(0時 - 4時)は現在の4割引から5割引になり、新たに夜間(22時 - 24時)が3割引、土日・祝日の昼間(9時 - 17時)が5割引となる点が特徴だ。

ただし「緊急」なので期間は1年、対象外の道路も多く、休日の割引も利用距離100kmまでとか人口の多い東京・大阪近郊の一部区間では適用されないなど、いろいろ条件がついてくる。

◆料金メニューは複雑化の一途

高速料金の引下げは、今回が始めてではなく、道路四公団の民営化に伴い、2005年から「深夜」、「通勤」、「早朝夜間」の3つの割引が導入されており、既にこれらの割引には条件がつけられていた。

その後、「社会実験」と称する割引が各地で実施され、今年の春ごろから観光地周辺のインターチェンジは乗り降り自由、というのも出てきた。そして今回の割引である。引下げにはピーク時の交通集中を分散する目的があるので一律の引下げはできないだろうが、もう少し分かりやすくしてほしいものだ。

◆料金引下げの効果

料金引下げにはどのような効果があるのだろうか。統計のある2006年度までの道路全体と高速道路の走行台kmから、高速道路の利用率がどのくらい変化したか見てみよう。道路全体の走行台kmが04年度をピークに頭打ちになる中、05年度から高速道路の走行台kmが伸び、利用率は上昇に転じている(図1)。

他方、05年度以降も料金収入は減り続けており、この間の新規開通もわずかだ(図2)。利用率のアップは、主に民営化で導入された料金引下げによるものと言ってよい。今回の引下げでも、同様の効果が期待できるだろう。

高速料金の引下げは、高速代や燃料代が安く済むことに加え、時間の短縮、CO2の削減、安全に走れるなど、一石三鳥、四鳥の交通施策だ。チマチマとした条件をつけず、大胆な引下げで、施策の効果を最大限発揮させるべきだと思う。

《伊東大厚》

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