清水建設は、日本道路と共同で、川崎市にダイオキシン専用の土壌洗浄プラントを建設し、11月からダイオキシンによる汚染土壌の洗浄事業を開始する。ダイオキシン専用の洗浄プラントは、国内で初めて。
新しい洗浄技術を導入する土壌洗浄プラントは、7月から敷地整備に着手し、11月に完成する予定。
新プラントで提供する洗浄サービスは、燃料を使って熱処理する方法に比べて、低コストで環境にやさしい点が特徴。コストは従来比で約3割安く、また洗浄土壌の再利用、CO2排出量の削減の点でも優れている。
今後清水建設は日本道路と共同で、首都圏を中心に新サービスを提供し、ダイオキシン汚染土壌のマーケットシェア3割を狙って活動する。
ダイオキシン汚染土壌は、都市部を中心にその処理対策が始まっている。しかしダイオキシンの無害化処理は、汚染土壌を特定処理場で熱処理するしか選択肢がなく、このため高いコストがネックとなっていた。
清水建設は2002年に、川崎市川崎区扇町で汚染土壌洗浄プラントの稼働を開始。以来、重金属や油で汚染された土壌を中心に、着実に実績を積み上げてきた。オンサイト型を含めると2008年9月時点の洗浄処理実績は200万トンに達する見込み。しかし、環境基準が極めて厳しいダイオキシンについては技術的に浄化が難しいため、扇町プラントでは洗浄の対象外となっていた。
今回、これまでの洗浄処理で磨きをかけてきた技術やノウハウをベースに、新たな洗浄技術の開発に取り組み、低コストで環境にやさしい新たな洗浄技術を確立した。