住友ゴム工業は、高性能タイヤの設計のためのシミュレーション技術「デジタイヤ」に新たに「タイヤマッド走行シミュレーション」技術を追加し、泥濘地をタイヤが走行するシミュレーションの実現に成功したと発表した。
今回開発したシミュレーションの特徴は、タイヤへの泥の粘着及び排土を考慮していること。泥はタイヤに粘着し溝を埋めてしまうが、この泥が溝を埋めたままだと同じ場所でタイヤが空転してしまう。溝を埋めた泥を排土し、新たに泥を掘ることがマッド性能向上に結びつく。
タイヤのマッド性能評価は、従来の実車テストでは路面コンディションが安定せず再現性のある評価が困難だったが、新開発のタイヤマッド走行シミュレーションにより、常に安定した路面コンディションでの定量的評価が可能になる。
また、マッド走行メカニズムの解明も期待され、スピーディかつ精緻なタイヤ開発が可能になるとしている。
これで路面環境に関しては、ウェット、スノー、サンド、マッドのシミュレーションが可能となり、同社では今後のオフロード系タイヤの開発に役立てる方針だ。