【中国取材】独立したCR部門 + i-CROPで顧客満足度を最大化

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【中国取材】独立したCR部門 + i-CROPで顧客満足度を最大化
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◆購入後の対応はCR部が一括して行う

中国のレクサスおよびトヨタディーラーでは、“顧客とのコミュニケーション”を重視し、この部分を徹底的にシステム化している。その根幹を支えるのが、顧客との総合的なリレーションを管理する「e-CRB」と、そのコアとなる統合型顧客管理システムの「i-CROP」である。

別記事にあるとおり、e-CRBはディーラーに購入見込み客が来店したときから情報の管理をし、適切かつ効果的な営業活動ができるようにセールススタッフを支援する。しかし、e-CRBが効果を発揮するのは、"クルマを売るまで"だけではない。むしろ、“売ってから”が、このシステムの本領発揮といえる。

中国ではレクサスはもちろんのこと、広汽トヨタが扱うカムリもアッパーミドルクラス向けの高級車だ。また、モータリゼーションが右肩上がりで進行中ということもあり、将来の代替え需要を見越した「顧客満足度」と「ブランドロイヤリティ」の向上は、トヨタおよび販売会社にとって重要なテーマになっている。

そこでe-CRBでは、販売時のセールススタッフ支援だけでなく、販売後のオーナーに対するきめ細かいケアも、システマティックに行う。

まず販売会社の組織として、セールススタッフとは別に、購入後のオーナーへのアフターサービスを専門に行う「CR(カスタマーリレーション)部門」を設置。ディーラー内で分業化・専門家を進めることで、セールススタッフの負担軽減と、アフターサービスの質向上を実現している。

さらにCR部門でも“秘密兵器”になるのが、e-CRBのコアであるi-CROPだ。ここには個々のオーナーの情報が蓄積・管理されており、クルマごとの整備記録からオーナーとのコミュニケーションまで、すべてが一括管理されている。

例えば、レクサスやカムリを購入すると、納車日から一定期間後にディーラーのCR部門から「お礼状」が届く。その後も、定期点検の案内やクルマの近況を尋ねる連絡などが、電子メールや携帯メール、電話などできめ細かく行われる。

これらの顧客対応は、すべてi-CROPが管理しており、CR部門のスタッフはPC上の画面で“その日にすべき顧客対応”を確認して行う。i-CROPの指示どおりに対応すれば、トヨタが培った最良のノウハウで、お客様対応ができるというわけだ。

「例えば、レクサスオーナーになられた方々に差し上げるお礼状の発送時期にしても、『納車日から数えた日数』で作成・投函しています。ディーラーの業務フローで、一ヶ月に何回かまとめて発送するのではありません。すべて、ひとりひとりのお客様にあわせた対応なのです。このような対応が、スタッフの負担やミスを少なく実現できるのも、i-CROPがお客様情報をきちんと管理しているからなのです」(トヨタ自動車e-TOYOTA部部長の友山茂樹氏)


◆サービス入庫の管理もi-CROPで

クルマ購入後、ディーラーを訪れる理由になるのが、オイルなど各種消耗品の交換や定期的な点検、いわゆる「サービス入庫」だろう。この部分でも、CR部門とi-CROPは重要な役割を果たしている。

まず、i-CROPでは販売したクルマごとにオイルなど各種消耗品の交換を勧めるタイミングを管理しており、その時期が近づくと、CR部門のスタッフがオーナーに「サービス入庫」を勧める連絡をする。

「消耗品交換のタイミングは最初は納車後からの日数で算定していますが、何度かメンテナンスを受けていただくと、(それぞれのオーナーの)クルマの走行距離が増えるペースがわかります。i-CROPではそれらのパラメーターも加味して交換時期の最適化をし、できるだけ適切なタイミングで連絡するようになっています」(友山氏)

オーナーへの連絡は、電子メールや携帯メール、電話など複数の手段を用いるが、こちらもセールススタッフやCRスタッフが顧客対応する際に、“お客様が望む連絡手段”をi-CROP上に登録しており、顧客それぞれにあわせた対応にしているという。

オーナーとの連絡が取れると、入庫スケジュールの調整に入る。ここでもi-CROPは重要な役割を果たす。各ディーラーのサービス部門では、作業スペースと作業工程の管理をi-CROP上の「SMB (Service Management Bord)」というシステムで行っており、サービス入庫の空き状況はCR部門からリアルタイムにわかるようになっている。そのためCR部門のスタッフは、電話やメールでオーナーと連絡しながら、的確かつ迅速に入庫スケジュールが決められるのだ。

「現時点ではCRスタッフがメンテナンス時期の連絡や入庫予約の取り次ぎなどを行っていますが、将来的には、(中国でも)クルマ側が通信モジュールを内蔵し、テレマティクスでオーナーへの連絡やメンテナンス時期の管理、入庫予約ができるようにしたいと考えています」(友山氏)

翻って日本のディーラーを見ると、購入後の気配りは、“セールススタッフ個人の質”に頼るところが大きい。中国のレクサスおよびトヨタのように、組織的な分業体制を敷き、さらにITシステムでフルサポートしているところは皆無だろう。e-CRBを軸にディーラーの在り方まで変える。そこにトヨタ中国戦略のすごさが垣間見える。
《神尾寿》

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