山形県警は15日、今年1月から発行が始まったICカード運転免許証を模した偽造免許証を用い、山形県山形市内の家電量販店から携帯電話機2台を騙し取ろうとした45歳の男を詐欺未遂容疑で逮捕した。同市内に潜伏していた共犯の男も後に逮捕している。
山形県警・山形署によると、事件が起きたのは15日の午後0時40分ごろ。山形市若宮2丁目付近にある家電量販店の従業員から「携帯電話の契約に訪れた客の男が偽造免許証のようなものを身分証明書として提示している」と警察に通報してきた。
客の男が提示していたのは、今年1月から東京都などで交付が始まったICカード型の運転免許証で、従来型の免許証よりも若干厚みがあるものだった。山形県ではまだ発行が行われておらず、従業員は免許証の厚みに疑問を感じて「偽造ではないか」と判断して通報していたが、駆けつけた同署員がICカード型の運転免許証を模した偽造免許だったことを確認。45歳の男を詐欺未遂容疑で逮捕するとともに、店から逃走し、同市内に潜伏していた40歳の男も共犯として同容疑で逮捕している。
調べに対し、逮捕された男は「拾った免許証に自分の写真を貼った」などと供述しているが、警察では精巧に偽造されたものを譲り受けた可能性が高いとみている。
なお、この偽造免許証にICチップは入っておらず、厚みのみを偽装したものだったが、警察では背後に偽造を手掛ける集団が存在するものとみて、入手ルートについて厳しく追及する方針だ。