日産 GT-R 開発者、鈴木ドライバー裏話…NISMOフェスティバル

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日産『GT-R』開発テストドライバーの鈴木利男氏がニュルブルクリンクで7分38秒54を記録したとき、自身の感想は、コースがほぼ貸し切りだったので「1台で気持ちいい」だった。タイムを出した瞬間は「やった、というよりも、まとまった、かな」。

『NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY』(2日、富士スピードウェイ)で催された、「NISSAN GT-R ディスカッション」。参加者は、日産自動車車両開発主管兼チーフ・プロダクト・スペシャリストの水野和敏氏と、鈴木利男氏ならびにレーシングドライバーの影山正美選手だ。

鈴木氏は開口一番、「ご無沙汰しております。GT-Rに関して、ぜひみなさんの知りたい裏話をいっちゃおうと思ってます」と挨拶。GT-Rの開発ドライバーは5人おり、その中で鈴木氏は超高速域を担当した。

鈴木氏がテストドライバーに誘われたのは、4年前の12月。電話で、水野氏から軽く「今度GT-Rを開発するんだけど、手伝ってくれない」といわれた。鈴木氏も「いいですよ」と軽く答えたそうだが、それがまさかこんなビッグプロジェクトになるとは思わなかったそうだ。水野氏は「言ったら最後でしょ」(笑)。

開発ドライバーの役割に関して水野氏は「まず、チームの一員にまずなってほしい」という。

これまでの日産の車の設計は、設計して外に行ってテストをするというパターンだったが、今回は異なる。ニュルブルクリンクには開発スタッフ全員が行き、鈴木氏のドライビングから得られたデータを全員が共有し、その場で開発していったという。テストドライバーとして重要なことは、速く走ることではなく、仕様を変えたときに設計者にわかるデータを出せる走りができることだそうだ。

テストを開始した頃は、メルセデスやポルシェなどの開発車両に抜かれまくっていたそうで、邪魔にならないようものすごく気を遣ったという。「このプロジェクトで大事なのは、クルマを作ると同時に、チームも作りあげること。世界一のクルマの開発をしていくわけだから、最初から焦ったらダメ。無理したら、必ず誰かが血を見る」と、ビッグプロジェクトを成し遂げた人物ならではの言葉で語る。

「でも、必ずニュルに行くと、毎回6秒ずつ確実に早くなっていく。耐えた分だけ、結果が出るんですよね」

水野氏は、「4年間は苦労しかないけど、苦労を苦労と思っている内はダメ。楽しいと思わないと」。鈴木氏も最初の半年間は非常に悩んだ模様。レースでは自分のための車を作ればよかったが、今回はユーザーのためであり、そこが難しかったようだ。

鈴木氏は、「市販車はありとあらゆる環境を走ります。サーキットを速く走るためのノウハウとは違うんですよね。水野さんにも何度か相談しましたが、とにかく速くコントロールしやすいクルマを作ることが、誰もが乗りやすいクルマになるだろうから、そのレベルを上げていこうとなりました」。

鈴木氏はGT-Rを作り終えたことについて「もう少し、時間がほしかったですね。そこそこはできあがったのかな、と感じてます。今までの速さとはまったく違った速さ、さらには速さよりも安全性とかを見ていただければと思います」と述べた。

《デイビー日高》

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