今年4月、大分県玖珠町内の国道210号で大型トラックを居眠り運転し、対向車と衝突する事故を起こして5人を死傷させたとして、業務上過失致死傷罪に問われた51歳の男に対する判決公判が21日、大分地裁日田支部で開かれた。裁判所は執行猶予付きの禁固刑を命じている。
問題の事故は今年4月5日午前に発生した。玖珠町大隈付近の国道210号を走行していた大型トラックが対向車線側に逸脱。対向車線を順走してきた軽乗用車と正面衝突し、このクルマに乗っていた3人が死傷。トラックは後続の軽トラックとも衝突し、このクルマに乗っていた2人も軽傷を負った。
大型トラックを運転していた51歳の男は業務上過失致死傷容疑で逮捕されたが、後の調べで事故当時は居眠り運転だったことが判明。勤務する会社から過重労働を命じられたことが事故の背景にあるとも判断された。
21日に開かれた判決公判で、大分地裁日田支部の立川毅裁判官は「事故の主因は居眠り運転」と判断、運転していた被告本人の過失が重いと認めた。
しかし、その一方で「事故に至ったのは過重労働を命じた会社にあり、過労状態に陥ったのは被告の個人的な要因に起因するものではない」とも判断。この部分に情状を酌量する余地があるとして、被告に対して禁固3年(執行猶予5年)の有罪判決を言い渡した。