フォードモーターはトヨタ自動車USAの役員、ジム・ファーレイ氏を引き抜き、フォードマーケティング部門のトップに据えることを発表した。ファーレイ氏はサイオンブランドを米市場に導入するのに尽力した人物。
ファーレイ氏に期待されている役割は、フォードと顧客の結びつきを強め、ブランド力を高めること。そのためにマーケティング、宣伝、デジタルコミュニケーションなどの最高責任者となる。さらに製品プランニング、リサーチ、製品コミュニケーション、PRなどにも携わって行く。
トヨタからの引き抜き、と言えばクライスラーグループの社長兼副会長となったジム・プレス氏が記憶に新しいが、フォードは明らかにこの引き抜きから発想を得たものと考えられる.
フォードはファーレイ氏と同時に、トヨタの宣伝部長であるデボラ・メイヤー氏も引き抜いており、トヨタの成功した宣伝チームを丸ごと手中に収めた形となる。
高い生産性、利益率、顧客満足度などを誇るトヨタの役員は、今やビッグ3にとっては喉から手が出る程に求められている人材なのかも知れない。プレス氏引き抜きの際に、今後もこうした動きが強まるのではないか、という懸念があったが、まさに実現した形。
トヨタばかりがターゲットとなったが、同じくアメリカでの評価が高いホンダにも、引き抜きの手が伸びるかも知れない。