「国際福祉機器展2007」(3−5日)では、数多くの車いすが展示されていた。そのなかで障害者に注目を浴びていたのが、関東自動車工業の『パトラフォー』と呼ばれる電動車いすである。
「パトラフォー」は世界初のベルト式4輪駆動で、曲がるときに前車輪全体の向きと車軸が変わらない特殊構造になっている。そのうえ、前車輪も通常のものと大きく違い、コマを円形に並べたようになっている。
この独特な車輪は「WESN」(West、East、South、Northの頭文字から取った)と名付けられ、車輪の方向を変えずに横方向に動くことができる。その場での回転もお手のモノだ。
「この車いすは生産ラインで使われているロボットの制御技術を応用してつくったもので、ハイテクの固まりなんです」と関東自動車の関係者は話し、「不整地やわだち、段差のある道、砂浜、雪道なんかもスイスイ走れます。買った人はみんなこのありがたみを感じています」と付け加える。
販売を担当している日進医療器のブースでは試乗ができ、砂利道、段差などがある特設のコースを多くの障害者が試していた。なかにはよほど気に入ったのか、もう1周回る障害者もいたほどだ。
ただ、価格が通常の電動車いすより20万円近く高く、59万5000円。「電動車いすの市場は年間約1000台で、そのうちの1割、100台を目標にしています」と関東自動車の関係者は話していた。